島田荘司「鳥居の密室: 世界にただひとりのサンタクロース」読了。

鳥居の密室 世界にただひとりのサンタクロース [ 島田 荘司 ]

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島田荘司さんも、今年の10月で70歳か。
未だに創作意欲が衰えないのか、前作の「屋上の道化たち」(2016年刊)から2年。
コンスタントに新作長編読めるのが嬉しいね。

前作同様「名探偵 御手洗潔シリーズ」ですが、御手洗が登場するのは、1975年の京都。
まだ、いつもの相方の石岡和己と出会う前の京大生の御手洗。
なので今回の相方は、「御手洗潔と進々堂珈琲」にも登場する予備校生のサトル。

御手洗潔と進々堂珈琲 (新潮文庫) [ 島田荘司 ]

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事件の舞台は、京都、錦天満宮にある、鳥居の端が壁に突き刺さった建物で起こった密室殺人。
この鳥居は、実在しており、見た事無い人は、一度googleで「錦天満宮 鳥居」と検索して、画像を見ると良いかと思います。

御手洗潔シリーズですが、今回は御手洗とサトルの活躍は控えめで。
密室殺人の謎が解明されないまま、犯人として逮捕された工場従業員の国丸信二視線での物語が中心。

これが、戦争直後の日本の問題や、裁判制度の問題、女性観とかが島田荘司節全開でして。
初期の頃を彷彿とする「読ませる」小説になってまして。

じゃ、ミステリーとしてはどーかといえば、以下ネタバレで書きますが
2018年2月6日に島田荘司さんのfacebookでこのトリックを思いついた経緯が書いてあります(ネタバレですw)

この発想から作品まとめちゃうんだからスゴイと思いますね。

ただ、波動、共振を使って、更に油がさしてあってもクレセント錠を動かすのは現実的には無理なんじゃないかと。
まぁそれを言ったら過去、これ以上無茶なトリック多かったので無粋なツッコミですが。

どーせなら、壁に鳥居が貫いているので、鳥居の横棒が右か左に動いて、そこに出来た穴から犯人が侵入したってトリックを期待してたんですけどねw