西村 賢太 / 雨滴は続く

西村 賢太の遺作となった「雨滴は続く」読了しまして。
今年の2月の急死。5月に刊行された500ページの大作で。

雨滴は続く [ 西村 賢太 ]

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感想(1件)


ただ、連載の最終回執筆中にお亡くなりになり。
残念ながら未完で終わってまして。
あと50枚で完結らしかったんですけどね。

西村 賢太の小説は、芥川賞受賞した「苦役列車」から読んでまして。

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感想(18件)


当時、受賞を知らせる電話が遅かったから「そろそろ風俗に行こうかなと思っていた」って言ってたのが話題になって。
受賞後は、TVのバラエティ番組にもよく出てましたね。

西村 賢太は父親が性犯罪を起こして家族が崩壊して。高校に進学せず。中学卒業すると家族と別れ、家賃滞納しながら一人暮らしを始め。日雇い労働の日々……
ってまぁ完全に親ガチャ失敗ですよね。
ただ、その19歳の頃の日雇い労働時代の事を書いた小説「苦役列車」が芥川賞受賞して。
中卒で芥川賞ですから立派ですよね。
だから親ガチャ失敗しようが成功出来ないのは自己責任ですよね。

「苦役列車」のその後の話は、その後刊行された私小説で読めるんですが。
遺作である「雨滴は続く」は、30歳後半で小説家として認められ始めた時期のお話で。

日々小説を書きながら。編集者と打合せ。知り合った風俗嬢と新聞記者に恋して。
みたいなお話で。私小説なんで、ドラマや映画のようなドラマチックな事件等は起こらないんですけど。
引き込まれて読んでしまいますね。

主人公の北町貫多(=西村 賢太)ってのが、酒癖悪く、女好き。短期でキレやすい。
どーしょうもない人間なんですけど。
自分そっくりやんみたいな笑

ただ、好きになった新聞記者に。
直接会ったり、電話したりせずに、せっせと手紙を送るんですよね。
しかも奥手なのでハッキリ好きですとか自分の感情を伝えずにね。
なんか最低男のピュアな恋愛小説だったり笑

この辺も、最近の自分の場合もみなせさんに直接会えないので、せっせと手紙を送ってるので自分にそっくり。
ま、自分の場合、手紙ではハッキリ好きですと書いてしまってるけど。
だから反省しました。
手紙で好きですって伝えるのは相手の気持ちも知らないで伝えてるだけで。
結局は自己満足なんだなって。歳考えろよ。
しかも相手はアイドルじゃん。元か。

あ、脱線してしまいましたが。
凄く面白かったです。

で、amazonのレビューみたら、「雨滴は続く」を読んだ後は文學界(2022年7月号)を読んだ方がいいよって知りまして。

「雨滴は続く」のモデルになった人のインタビュー記事で。
小説で描かれたのと実際はどうだったのか?とか。
その後の話で。
その後の話は亡くなってしまったので小説で読めなくなってしまったのは残念です。
「雨滴は続く」は特に読んでて面白かったけど泣くトコは無いですけど。
まぁそんな私小説だしね。
ただ、そのインタビュー記事は、読んでて泣けました。
あぁ実際の西村 賢太は、こういう人だったんだって。
ネタ晴らしになってるかもしれないけど。
すごくいい、インタビュー記事でした。

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